知識があれば怖くない!メルペイ定額払いの仕組み
メルペイにはスマート払い(一括払い)や定額払い(リボ払い)という後払いシステムがあります。その中でも定額払いは危険だと噂されていますが、どうして危険なのかご存じでしょうか?この記事ではメルペイ後払い全般についてと、定額払いの手数料計算方法を解説します。
メルペイとは
メルペイとはフリマアプリ・メルカリ内で誕生した電子マネーです。メルカリ出品物の売上金をそのまま電子マネーとして利用できます。メルカリ内での買い物への利用はもちろん、街のお店でバーコード決済を利用できる他ウォレットアプリ(iOSはApple Wallet/AndroidはGoogle Payやおサイフケータイ、iDアプリ)に設定すればiDとして利用できます。Apple Walletを介してメルペイを利用すればApple PayとしてもiDとしても利用でき、Google Payを介してメルペイを利用すればGoogle PayとしてもiDとしても利用できます。
残高チャージ手段としてはメルカリアプリでの売上金がメルペイとして利用できる他、セブンATM・銀行口座からのチャージができ(1000円単位)、いずれも手数料無料で行えます。また、メルペイユーザー同士で残高を送り合うこともできます。1円単位で指定できるので家族間での残高調整などに活用できます。
電子マネー決済を導入している店舗にはiD対応の加盟店が多いので、メルペイは広く利用することができ便利な決済方法です。もちろんメルカリアプリ内の商品を購入する際にも利用できます。
メルカリに新規登録する方は紹介コード(PMABKY)を是非ご利用ください。
メルペイスマート払い
メルペイ定額払いについて説明する前にまず知っていただきたいのですが、メルペイには前述の事前にチャージしてから使う残高決済に加えて、メルペイスマート払いという後払いシステムが存在します。これはクレジットカードのようなもので、残高がなくてもメルペイスマート払いで支払いをすることができ、当月中に利用した分は翌月中にまとめて清算します。コンビニ支払いで清算する場合を除き、手数料は無料です。
メルペイスマート払いの利用額は翌月1日~末日の都合の良い日に清算ができ、方法は三通りあります。
- 残高から清算する方法
手数料はかかりません。残高が不足していれば、セブンATMもしくは銀行口座から1000円単位でチャージしてから清算することができます。 - 銀行口座からの引き落とし
手数料はかかりません。これは事前に11日・16日・26日から選んで引落日を設定することができ、引き落としのタイミングで残高やポイントがあれば優先的に消費する設定もできます。 - コンビニ支払い
手数料が300円かかります。これはファミリーマートでのFamiPay払いを除き、現金払いのみの取り扱いです。この方法は本当にもったいないので、”メルペイ残高を1円も残しておきたくない&銀行口座の紐付けをしたくない”方以外は一つ目か二つ目の方法での清算をおすすめします。
売上金が入る予定があるが先に買いたい商品に出会った時は残高とスマート払いを併用して購入し、その後入った売上金を使って翌月残高から清算することができます。またメルペイクーポンを利用したいけれど残高がない時などはスマート払いを利用し、翌月にまとめて一括清算する方法が便利です。
なお清算月を過ぎてしまうと売上金の充当・一部利用制限・延滞手数料が発生します。また支払い方法がコンビニ払いに限定されてしまいます。くれぐれも清算を忘れてしまわないようにご注意ください。
定額払いについて
メルペイ定額払いとは、メルペイスマート払いを分割払いにして毎月の支払額を一定にする方法で、世間一般にリボ払いと言われる支払い方法です。分割して月々の負担を軽くするためのものですが、サービスを提供している会社が借金を肩代わりしてくれている状態なので、その分手数料がかかります。
定額払いに設定した決済は、設定日にかかわらず購入日の翌日から手数料が発生します。
メルペイ定額払いは設定した支払額を毎月清算するシステムですが、支払額を途中で変更することができるので状況に応じて増減額が可能です(選べる金額は残債によります)。返済期間が長くなるほど手数料は高くなり、逆に短くできれば手数料を抑えることができます。
清算方法は前述のスマート払いと同様ですが、スマート払いと違い定額払いではできるだけ早く清算したほうが良いです。1日に清算すれば翌日からは借りたままの額が少なくなるので、発生する手数料が少なくなります。なお銀行引き落としにしてしまうと最速で11日の清算になってしまうため、手動清算に比べて手数料が10日分多く発生してしまいます。
なおクレジットカードの2回払いやボーナス一括払いであれば手数料がかからないことがほとんどなので、その方法で済ませられるならクレジット払いを優先して利用しましょう。しかし手数料の仕組みをきちんと理解し、一括でも払える金額をキャンペーンのためにあえて分割払いするのであれば、定額払いを利用しても問題はないと私は考えます。
ただし延滞などが発生すると信用情報機関に記録されてしまい今後の生活に支障をきたす恐れがあるので、必ず支払える金額のみの利用に留めることが重要です。
定額払いの手数料
年率について
メルペイ定額払いの手数料は2021年3月現在、年率15%に設定されています。年率というのは文字通り、1年間借りるとその金額に対して発生する利息の割合のことです。定額払いでは年率を日割り計算し手数料を算出します。
例えば1万円を1年間借り続けた場合、15%である1500円が手数料として発生します。10000円を6ヵ月間(180日とする)借りて181日目に一括で返済する場合、15%である1500を年間日数の365(あるいは366)で割り、借りていた日数の180で掛けて手数料を算出し約739円となります。
利息はまだ返していない元金にのみ発生するので、返済が進めば元金は減り、発生する利息も減ります。
元利均等返済と元本均等返済
元利均等返済とはまず月々の支払額を均等に設定し、利息分を割り当ててから残りの枠に元金を充てる返済方法です。元本を残り枠に充てるため借りたままの元金が減りづらく、利息が減りずらいデメリットがあります。一方で毎月一定額の支払いで統一でき月々の支払い管理がしやすくなります。毎月の支払額を一定にするのが売りのメルペイ定額払いはこの方法にあたります。
元本均等返済は月々の元金の支払額を均等に設定し、そこに利息をプラスした額が月々の支払額になります。返済を進める毎に利息は減っていくので、徐々に支払額も減っていきます。なので初めのうちは借りたままの元金が大きいので利息が高く、一か月の支払額が高くなります。ただし決めた金額の元金を毎月返済することにより利息を効率よく減らすことができます。
手数料の計算
メルペイ定額払いは年率15%の元利均等返済(2021年3月現在)であることを踏まえて実際に計算をします。
清算日 | 支払額 | 手数料 | 元金 | 残り元金 |
---|---|---|---|---|
4月1日 | 3000 | 65 | 2935 | 7065 |
5月1日 | 3000 | 88 | 2912 | 4153 |
6月1日 | 3000 | 54 | 2946 | 1207 |
7月1日 | 1223 | 16 | 1207 | 0 |
合計 | 10223 | 223 |
3月15日に10000円の商品を定額払いで購入し月3000円の支払いで設定した場合、翌日の3月16日から手数料が発生します。最初の支払い額は4月1日に確定するので、3月16日~3月31日の16日間は満額の10000円を借り続けたことになります。1日あたりの手数料は(10000*15%)/365で4.10958904円なので、16日分の利息は65円(日数をかけたあと小数点以下切捨て)です。支払額は月3000円で設定しているので、4月に支払う3000円の内訳は利息65円・元金2935円です。
これで元金10000円のうち2935円は返済できたので、4月1日~4月30日の間は残る7065円を借りている状態です。1日あたりの手数料は再計算が必要になり(7065*15%)/365で2.90342466円です。これを30日分にして87円が4月分の利息です。しかし4月1日に3月分の清算をした場合、その日のうちの一部時間はまだ満額の10000円を借りたままの状態でした。なので、1日分だけ先月の1日あたりの利息に置き換え再計算し、2.90342466*29日分+4.10958904=88円が4月分の利息です。4月2日に清算した場合は2日分置き換え、というように支払日も手数料に係わるので早めの清算が効率的です。5月に支払う3000円の内訳は利息88円・元金2912円です。7065円残っていた元金は4153円になりました。順調です。
同じように計算し、5月分の利息は54円(5月1日に清算した場合)、6月に支払う3000円の支払い内訳は利息54円・元金2946円です。残る元金は4153円から1207円となり、ゴールが見えてきました。6月分の利息は16円(6月1日に清算した場合)、7月の支払いは利息16円と残り元金1207円で合計1223円です。
完済した!と思ってしまいそうなのですが、7月1日の間はまだ1207円借りた状態だったので、最後にこの1日分の利息0.49円が発生します。ただしこれは小数点以下切り捨てになるので、7月1日の支払いをもって完済です!なお最後の支払いが7月3日だった場合は1.47円になるので、8月に1円の清算が残ります。
まとめ
説明がとても長くなってしまいましたが、このように定額払い(リボ払い)手数料の計算方法が複雑であることと、延滞してしまうと信用情報に傷がつくため仕組みを理解せず利用するのは危険と言われる所以です。しかし理解を深めて自分で計算できるようになれば、必要な場面で活用することもできます。
まあでもここまで長く書いておいてなんですが、キャンペーン時以外定額払いを利用する場面はそうそうないと思います😅